Act.1 オペラコンサート
Act.2 “ナポリのマンドリン”
(歌とバレエ、マンドリンアンサンブルによるカンツォーネステージ)
オペラの調べをじっくり聞いていただくステージとストーリーを追いながら音楽を楽しんでいただけるステージとなりました
Act.1 オペラコンサート
1 “すみれ” スカルラッティ作・・・・・徳永里香 オペラ「ピルロとデメートリオ」の中のアリア。作者スカルラッティの古典的な思考が感じられる。軽やかで優美な音楽の中に、厚かましい男への皮肉が軽妙に歌われている。 「梅雨に濡れて香る優美なすみれ達。 お前達は恥じらいながら半ば葉陰に隠れ、 あまりにも野心的な私の欲求を咎めている」 2 “もし貴方が私を愛してくれて” ・・・・・浦田玲子 繊細な古典らしい趣を持つ歌曲。 「もし貴方が私を愛してくれてため息をつくなら、やさしい牧人よ。 貴方の苦しみに心を痛め、貴方の愛情に喜びを感じます」 3 “樹木の蔭で[ラルゴ]” ヘンデル作 ・・・・・古崎正敏 紀元前5世紀のペルシア大王クセルクセスを主人公としたオペラ 「セルセ」の中のアリア。暑い日差しをさえぎるプラタナスの大樹に感謝して歌う。 「私の好きなスズカケの木の柔らかく美しい葉よ。樹木の蔭で、これほどにいとしく愛すべく快いものはなかった」 4 オペラ「パリアッチ」より “大空を晴れやかに” レオンカヴァルロ作・・・・・徳永里香 旅芝居の座長をつとめる夫の持つネッダ。村の若者と恋仲になってしまい、夫に秘めた想いを見抜かれる恐れを歌っている。 「とてつもなく激しい炎が燃えるあのまなざし。ああ もし彼に不意をつかれたら…でももうたくさんよ。ひどくおびえた、つまらない思い過ごしだわ。まぁ、なんて美しい八月の太陽なのでしょう!」 5 オペラ「アンドレア・シェニエ」より “五月の晴れた日のように” ジョルダーノ作・・・・・古崎正敏 フランス革命期に生き、断頭台の露と消えた実在の詩人・シェニエ。革命政府に批判的な彼は、革命裁判にかけられ処刑されることになる。処刑を目前に控えた獄中のシェニエが歌う辞世の歌。 「詩よ、私にとって最後の詩の女神となってくれ!あなたに侍るこの詩人に、理想と情熱の炎を与えられんことを!」 6 オペラ「トゥーランドット」より “氷のような姫君の心も” プッチーニ作 ・・・・・浦田玲子 紫禁城のトゥーランドット姫は、求婚者に三つのなぞを解くことを求め、出来ない者の首をはねてしまうという。姫の美貌に惚れた王カラフも挑戦しようとするのだが、その王子を慕うリューという娘は今までに何人もの挑戦者が処刑されてきたので、思いとどまるよう説得する歌。 「リューはもう耐えたれません。胸が張り裂けるようです。あなた様のお名前を心に、そして声で呼び続けて、それはとても長く悲しい歩みでした」 7 オペラ「愛の妙薬」より “親切なそよ風に聞いてごらんなさいよ” ドニゼッティ作・・・・・古崎正敏/徳永里香 北スペインのバスク地方のとある農村。頭も良く美しいアッディーナと、彼女に恋するネモリーノ。彼は、おずおずと愛の言葉を口にします。内心彼をすこしばかり好ましく思っているアッディーナだが、「私は気まぐれでくるくると気が変わるの」とあまりにも純朴で野暮なネモリーノをあしらって去っていく。 ネモリーノ「昼も夜も君の姿を見ている、どうしたって君を忘れるのは無理だよ」 アッディーナ「変わらぬ愛なんて狂気の沙汰よ。あんたは私の流儀に従うべきだわ」 8 オペラ「アンドレア・シェニエ」より “甘く優しいひとときよ” ジョルダーノ作 ・・・・・古崎正敏/浦田玲子 上記に述べる詩人・シェニエが披露した、愛の崇高さと憂国をの情を歌った即興詩に惹かれた伯爵令嬢マッダレーナ。想いを寄せ合った二人は、愛を確かめあい、美しい愛の二重唱を歌う。 「死ぬまでともに!甘く優しいひととき、崇高な愛のひととき!ああ、永遠にともに…」 |
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Act.2 “ナポリのマンドリン”
(歌とバレエ、マンドリンアンサンブルによるカンツォーネステージ)
演出構成及び編曲 | 高田作造 |
演出補 | 小西たくま |
舞台監督 | 花岡彩 |
舞台美術 | 吉本政弘 |
舞台照明 | 色川伸 |
海の向こうに見えるのは雄大に広がる ベスビオス火山、左岸にはたまご城。 ナポリの町では、人々が賑わい いつもの楽しそうな光景が繰り広げられています。 さあ、今日も愛のドラマが真っ最中。 愛を口々に語らう人々の中に、 おやおやなにやら恋仲の二人がもめている様子。 どうしたのでしょう、 今夜はきれいな新月が見える夜だというのに…。 海には銀色の帯が恍惚としています。 “新月” コスタ作 ・・・・・浦田玲子・古崎正敏 高校生ワークショップ合唱 |
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月が星達を彩ると輝き出す町、ナポリ。 四人の女達が、ナポリの美しい町を競い合って褒め称えています。 サンタ・ルチア!サンタ・ルチア! なんて楽しいの!なんて美しいの!なんて素敵なこの町!! “サンタ・ルチア” コットラウ作 ・・・・・篠原眞砂子・中本博子・ 工藤ひとみ・宮崎史子・女性合唱 |
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愛が溢れかえる町では、今日も愛を捧げ、愛を請う者達がいます。美女を見たら、男達は愛を嘆かずにはいられないのです。 誰かさんの恋は叶うのでしょうか? “ナポリのマンドリン” タリアフェルリ作 ・・・・・徳永里香・全員合唱 |
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振られ男が一人、「どうにか運命の女性と出会いたい!」と願います。 しかし、やっぱり振られてばかりのこの男。 「砂糖のように甘い女、 でもその天使のようなおまえは本当は気まぐれなひどい人・・・」 かわいそうに…。でも今夜こそは、素敵な人と出会えるかもしれません!? “悪い女” トト作・・・・・古崎正敏 |
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朝日が昇り、今日もナポリの新しい一日が始まります。 ここは太陽の地、ここは海の国。 この地すべてが甘く、いとおしく、いつも愛の言葉でいっぱい…! 踊り子達が舞うナポリの民族舞踊に町は一気に華やぐのです。 “これこそ太陽の国” ダンニバーレ作 ・・・・・・全員合唱 |
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“ナポリは行ってしまった” タリアフェルリ作 ・・・・・こっぺりあ・バレエ・アート |
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そんな楽しさいっぱいの町に、愛の舞台は続きます。 まあ!次の登場したのは年は離れている様子ですけれど、 それはそれは仲むつまじいお二人。 より自分の方が愛していると嘆き合う二人には誰も入る隙間がありません。 ごちそうさまです。 “お前が大好き” カンパネルラ作 ・・・・・・田畑寛子・吉原道彦 |
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荒くれ者達には、そんな相思相愛がおもしろくありません。 不実な女達に嫌気を差しながらも、そんな女達無しでは生きてゆけないのです。 「今夜はワインをいっぱい飲み、彼女を誘惑したいんだ! 俺の歌のうまさを聴かせてやる!!」 “グァッツパリア” ファルヴォ作・・・・・男声合唱 |
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男達が躍起となり大騒ぎの中、おもむろに親分がこのナポリの地に 戻ってきて緊迫の雰囲気。 その親分には、三人の女達がお出迎えに寄り添ってきました。 「恋に絶望し、修道女になる女達がどれだけいることか。 それなのに今では、恋人一人を失うと、すぐに他の百人を持ってしまう…」 罪作りなのは、親分でしょうか。 それとも…、女達なのでしょうか。 “サンタ・キアーラ” バルベリス作・・・・・高田作造 |
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残された女もまた一人。 故意に想い悩む乙女の姿は、なんと美しさに満ちていることでしょう。 「どうしてこの狂おしい恋を止められないの!」 人々は、その純粋な美しい心の魔法にかかってしまったのかもしれません。 “お母さん、何が知りたいの!?” ヌティレ作 ・・・・・浦田玲子 |
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そして、あの男もまた、うまくいかない恋のもどかしさに耐えていました。 「どうしてそんなに僕を苦しめるの?貴方は僕の苦しみなんて考えはしない。 気にも留めはしない」 「みてごらん、海はなんと美しいことか!私を放さないで、苦しめないで、 帰ってきておくれソレントへ」 “カタリ・カタリ(薄情)” カルディルロ作・・・・・古崎正敏 |
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“帰れソレントへ” クルティス作 ・・・・・高校生ワークショップ |
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でも、考えてみてください!過ぎたことをじっくり考えたって 何の役にもたたないのです。 「“どうして”“なぜ”って、尋ねたって無駄なことだよ。 この過ぎ去っていく瞬間を生きようじゃないか!」 そうですとも!我らはナポリっ子なんですから。 “我らはナポリっ子” バレンテ作 …浦田玲子・徳永里香・ 全員合唱・こっぺりあバレエアート |
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そんなナポリっ子達の十八番といえば、この歌“恋に落ちた兵士” しかありません。 そう、愛こそすべてなのです! 「愛しい人、わが命、あなたは私に初めて本当の恋を教えてくれた。 きっとこれが最後の恋!」 “恋に落ちた兵士” カンニオ作 …浦田玲子・徳永里香・ 全員合唱・こっぺりあバレエアート |
バレエ | こっぺりあ・バレエ・アート |
早川 理聖 | |
本多 真佑子 | |
指揮 | 牧 光輝 |
コンサートマスター/ピアノ | 清水 佐和子 |
マンドリンアンサンブル | |
マンドリン | 永野 綾香 |
松本 智恵 | |
マンドラ | 田中 綾絵 |
ギター | 後藤 真理 |
コントラバス | 益田 裕美 |
音楽指導 | 浦田 玲子 |
合唱 | テアトロ・リリカ熊本合唱団 |
高校生ワークショップ合唱団 | |
ワインレディー | 花岡 彩 |